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【toi訪問日記⑥】なんやこの場所は

toi訪問日記は⑥で完結しますので、最後まで読んでみてください!


なんやこの場所は。これが僕がtoiを訪れた時に抱いた率直な感想だ。


TEDxスタッフのみんなと歩いて辿り着いたその場所は、ごく普通の民家。目の前に突っ立って、戸惑っていると、ある女性に「どうぞ!」と明るく声を掛けられ、僕たちはぞろぞろと中へ入っていった。その女性こそ、今回のインタビュー対象であり、toiの家主の一人である島田彩さんである。

玄関には、今までtoiに来た人たちの大量の名刺がびっしり貼られ、少し進むと大きな鉄腕アトムのフィギュアが置かれていた。他にも昭和の少年マガジンや沖縄のお土産など本当に様々なものが部屋中に乱立していた。だが決して汚いと感じず、不思議と統一感があった。

そんななんとも不思議な空間の中にあって、僕は驚きを隠せないでいたが、一方で実家のような安心感も覚えていた。実際に「家」である訳だが(笑)


話は変わって、僕たちは島田彩さんへのインタビューを始めた。その最中にも僕の驚きは続いた。


何人もの人が、まるで自分の家かのように、自然に、スッとtoiの中に入ってくるのだ。皆島田さんに一言挨拶を交わすところまでは同じなのだが、そこからは多種多様な過ごし方をしていた。例のアトムがいる部屋でくつろぐ人。コーヒーを挽き始める人。庭でなにかしてる人。


インタビューが終わると、みんなでご飯を作って食べようということになった。

そこでは、toiを訪れた人たちと長い時間色んなお話をした。出身も年齢も職業も皆バラバラだった。もちろん価値観や考え方、将来の夢や目標などもバラバラだった。でも、なんだかすごく居心地がよかった。ここにいる人たちはまるでtoiの中にある物たちのように、統一感があり、よく馴染んでいた。このことが僕にとってはとても新鮮で不思議だった。


そう感じたのはなぜだろう。

社会に生きるほとんどの人は、多くの組織や共同体に属している。学校や職場、部活や習い事、自治会の集まり。そこには、様々な人がいるが、大なり小なり何かしら共通の目的のもとに集まった人たちだ。その目的に向かって組織は動いていくわけで、個人は自分を犠牲にしないといけない場面が多々あり、息が詰まってしまう人も多いだろう。


でもtoiは違う。目的なんかない。だから何かしないといけないこともない。好きなことを好きな時に好きな人と一緒にできる。何をやっても、何を言っても認められる。


今の日本では、本当の意味でありのままでいられることが少なくなってしまった気がする。特別なことは必要ない。「ただそこに居る」ことができる場所。それがtoiだ。











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